ローマングラスとは

銀化ローマングラス
 ローマ帝国時代(紀元前27年〜紀元後395年)、ローマ帝国領内で作られたガラスをローマングラスといいます。

 ローマ期は、ガラス生産の一大革命期でした。
それまでは、小型の不透明なガラス器(コアガラス)が極少量作られ、宝として珍重されていましたが、紀元前1世紀中頃に、シリア地方で「吹きガラス」の技法が発明されたことにより、ガラス器の大量生産が可能となりました。
薄く、透明で、実用的な大型の容器を大量に作ることが可能となったのです。
 こうして作られたガラス製品は、広大なローマ帝国の流通網を通って内外に送り出されてゆきました。
そして、ガラス器の生産にと同時に、モザイク技法などを駆使したガラスビーズの生産も活発に行われるようになります。

 ローマ帝国の繁栄とともに、たいへんな隆盛を誇ったガラス産業は、その後ローマ帝国の分裂・滅亡にしたがって急速に衰退しゆきます。ローマングラスは、ローマ帝国と運命をともにしたのです。ガラスの煌めきは、ローマ帝国そのものだったといえるのかもしれません。


銀化とは
銀化ローマングラス
 銀化とはガラスが何百年もの間、土中に埋まっていることにより起きる一種の風化現象をいいます。
ガラスのアルカリ成分が土中に溶け出すことによってガラスの表面に無数の微小なクレーター状の穴ができ、その穴に光が乱反射することによって虹色の輝きを帯びるのです。
 この銀化という現象は人工的に作り出すことはできません。
ガラスの成分や環境、時間など様々な要素が偶然にうまく整わない限り、起こりえない奇跡といえるでしょう。長い長い時の作り出した美がここにあります。
当てる光の種類(太陽光・蛍光灯・白熱灯)によって、色は違って見えますし、見る角度を変えますと様々な色を発見することができます。

真性の銀化現象の見分け方として、ガラスの表面に水をつけて確かめる方法があります。
銀化はガラスの表面の着色・変色現象ではなく、 その表面の微小なクレーター状のに光が乱反射して、色が変わって見えているだけですので、表面に水をつけてやると光の乱反射が押さえられ ガラス本来の地肌の色が現れてきます。

その際、強い土臭がするのも特徴です。そして表面の水気がなくなるのと平行して、消えていた銀化の輝きが 再度じわっと現れてきます。
それが通常の銀化現象の確認の方法です。

 
サブカテゴリ一覧
ローマンガラスビーズ 銀化古代ガラス残欠 銀化古代ガラス残欠ペンダントトップ
ローマンガラスビーズ 銀化古代ガラス残欠 古代ガラス残欠ペンダントトップ